家づくりの理想と現実「家事動線が優秀な間取り」

たま~に突っ込み企画みたいな感じでブログかいてある、メルマガの家づくりの内容が、いつもある意味楽しいので、今回も突っ込みます。

 

今回もそうなのですが、何というか・・・

素人の人が色々勉強して辿り着いた間取りなのかな?

とか、

これ、プロの人が、素人の言いなりで作ってんじゃない?

って内容が、本当に多いですよね。

 

もし、これらが注文住宅というならば、それは違う、

「言いなり住宅」と呼ぶんじゃない?

 

まあ、そんな考えになってしまうような内容ですが・・・

間取り診断などでもお答えする内容なのですが・・・

「動線」

について、ラファエル設計の考え方を少し公開したいと思います。

 

今回の題材の間取はこれ!

重視した動線
親世帯と子世帯、両方の暮らしやすさを考える上で、最もこだわった動線のようです(出典:イエマガ)
回遊性が高い間取り
『クルクルと部屋間を回れるこの回遊性の高さは、本当に動線的なストレスが少なく、暮らしやすさの要だと日々感じています。』
との事です。(出典:イエマガ)
キッチンから各部屋へのアクセス
『キッチンから他の場所へのアクセスが良いというのは家事や生活全般においてとても効率的で、この1階キッチンは名実ともに「わが家の中心!」という感じになっています。』
との事です。(出典:イエマガ)
最短かつ真っ直ぐの動線
『キッチンからのアクセスの良さと同じくらい考えられているな~と感じるのが洗濯動線です。 親世帯の洗濯機は脱衣室に置いてあり、洗濯物を干す場所は脱衣室にある勝手口を出たところ(雨天時は脱衣室または浴室内)。』
との事です。(出典:イエマガ)

 

これらについて、皆さんはどう思いますか?

いきなり僕が思うのは、冬寒くて夏暑い家100%って事ですね(笑)

玄関が風除室的要素もなく、階段もリビングなどと完全区画されている。

まあ、冬寒い家の典型ですね。

 

まあ今回はそういった事はまず置いておいて、他の事を述べますね。

 

僕は、「回遊性」というものと、「動線」はこの方の様に、とても意識して考えます。

 

ここで、まず僕が思う事があるのですが・・・

『何故、多くの人がキッチンと家事動線を繋げたがる?』

って所です。

そして、『お風呂や洗面は、何故当たり前のように、北側に配置される?』

って所です。

そして、『何故南東の角に玄関を持ってきたがる?』

って所です。

 

まあ、玄関は風水とか占い含めて、僕も今まで南東で指定された時だけ南東にしています。

 

では、まずキッチンの話から入りましょう。

これも・・・

Q:ホントにそれ家事動線?

で詳しく説明していますが・・・

 

再度疑問点を述べますね。

『何故、多くの人がキッチンと家事動線を繋げたがる?』

 

僕から質問します。

『貴方がキッチンに立つ時間はどれくらいですか?』

『洗濯など、水廻りを利用する時間帯は何時くらいですか?』

この質問で、大体、キッチンと水廻りを繋げた方がいいのか、切り離して良いのか、ストーリー性のある間取りの考えの1つとなります。

 

でね・・・

この方、こんな事を言っているのです。

『キッチンから他の場所へのアクセスが良いというのは家事や生活全般においてとても効率的で、この1階キッチンは名実ともに「わが家の中心!」という感じになっています。』

 

僕は、どうも「キッチンが中心」という考えに違和感があって仕方がないのです。

家の中心って、この家で言えば、リビングとか和室じゃないんですかね?

 

キッチンにそれほど長く立たない人は、人によってはリビングなどからのアクセスが良い間取りの方が使いやすいと思うんです。

 

次に洗濯。

この住まい手は、北側?に洗濯物を干すようです。

なので、この動線はおかしいとは思いません。

一般に、洗濯は物は南側に干しませんか?

そうすると、北側に水廻りがある事で、動線は長くなりますよね?

 

次にトイレ。

LDKからトイレが丸見えです。

左右反転した方が良かったですよね。

そうすれば、寝室からソ入れの入口も近くなりますし、トイレ入口がトイレ前の収納の陰に隠れますし。

そして、トイレのドア一枚でいきなりキッチンってのは、僕は提案しない間取りですね。

これはあり得ないです。僕の中では。

ドア1つ設けます。

不要だと言われれば、それは住まい手に従います。

 

また、寝室から水廻りが一直線なのは僕も考える事なのですが、高齢になると、入浴後にお漏らしをしてしまうので、老人ホームなどは脱衣所内にトイレを設けるのが、設計上のポイントでもあります。

そういった事を踏まえて、間取りは考えるべきですね。

 

風水とか、鬼門・裏鬼門の話が出てきたら、たいていそれに従うようになったりしますけどね・・・

そうなってきたら、別に誰に頼んだっていいわけですよね(笑)

折角設計事務所に依頼するわけですから、お金がもったいないと思いますよ。

温かさを単純に求めるなら僕の出番ですが。

 

  • まとめ

家事動線って、Q&Aにも書きましたが、キッチンと水廻りが近い事が家事動線じゃあないんですよ。

 

例えばテレビ見ながら、育児をしながら、家事が出来る動線を、

『家事動線が優秀』

といえるのではないでしょうか?

 

家づくりにおいて、色んな事を調べて、色んな事を知ると思いますが・・・

 

「セオリー」みたいなものは、あって、ないようなものです。

水廻りに関しては、浄化槽の位置とか、そういった事に依存する事もありますが、何度もいうように、キッチンと水廻りが近い事を家事動線が優秀とか、判断しないでくださいね。

家の間取というのは、そこに住む人の性格や行動、生活スタイルで、優秀かどうかは全く異なります。

そこを、住まい手からうまく引き出すのがプロの役目です。

間取りは、高校生でも主婦でも考えられますが、ある一定の領域の部分は考えが及ばない所は多々あります。

そこがプロと素人との差なのですが・・・。

極端に言えば、いきなり初めの打合せで、

「リビングは20帖くらい欲しい」

という考えを住まい手が持っていたとします。

 

では質問しますが、その20帖って根拠は何処にあるますか?

って所ですよね。

LDKなら、ダイニングテーブルやテレビボード、ソファーなどを配置した上で、導き出した20帖なんですか?

って事ですね。

 

最後に、冒頭で申し上げた「冬寒い」ですけど、このように一見建売のような間取りでは、例えHEAT20のG2グレードをクリアしていても、家じゅう一定温度になるのは難しいです。

 

2019年06月24日