今まさに住宅設計が抱える問題

今まさに住宅設計が抱える問題の一つとして2点、個人的にあげられる。

それを今日は述べて行こう。

同じ様な事はいつもブログで書いていますので、同じような内容かも知れませんが、同じ様な事を書き続ける事で、設計の質の違いや、家づくりに対して会社ごとに何が違うのか?

という事を理解して行ってくだされば嬉しく思います。

 

2点というのは下記である。

①「冬暖かく、夏涼しい」がそうならない事があるのを、プロ側も建て主側も知らない

②超省エネ住宅の性能値なのに、全く省エネにならない事がある事を、プロ側も建て主側も知らない

 

今回の横浜出張は、まさにそれに直面した格好だ。

 

この問題を、本来は依頼された工務店、設計事務所が解決をしなくてはいけないと思うのだが、それを僕に託された。

 

お願いされたのは、温熱の事に関して。


これって、プロ側を疑問に思う場合もあったり、施主様から頼まれて僕に依頼してきた設計事務所の方に対して・・・

同業者は、「プロとしてそれどうなの?」

って言う人もいるだろう。

 

正直、僕もそれは思います。

 

だって・・・

自分じゃお客様の要望を解決出来ません。
だから、ラファエルさん、私のお客様の話を上手くまとめてください!

って、言っているようなものですからね。

 

普通なら、「そんなの知らね~よ!自分のところで解決しろよ!」

って言われる話です(笑)

 

よく考えてみてくださいね?

僕からすれば・・・

「要望に対して応えられないのに、何故その会社を選んだ!?」

と言う所に行き着いてしまう(笑)

 

これは、今回の横浜に限らず、他社で契約後に、温熱や換気に関して相談がくるメールの内容に対して言っています。

 

例え話をすると・・・

佐野ラーメン食べたいのに、

 

横浜家系ラーメン店に入って・・・

 

「何で佐野ラーメン食べられないんだ!佐野ラーメン作れる人を呼んでこい!」と言う状況です。

 

「何故その店選んだ!?」
ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!

ってなりませんか?(笑)

 

でもね・・・

皆さん、再度よく考えてください。

その入店した横浜家系ラーメンが、佐野ラーメンを作れないというのを何で知っているのですか?

 

常識的に分かるからですか?

家系なんだから、作れるわけないだろって?

横浜と佐野じゃ違うだろって?

佐野と佐野実じゃ違うだろって?

 

支那そばだろ!って?

 

外国人にこれらの違いが分かりますかね?

 

佐野ラーメンと言ったら「塩?」って言ってくるくらい、ラーメン詳しくない妻(笑)

スープの色の記憶色で、塩って印象強いのか?

 

分かるのは、佐野ラーメンと佐野実の違いくらいですよ。

ラーメンと人間ですからね(笑)

佐野ラーメンと、佐野実が作ったラーメンの違いは分からないと思います。

 

『ラーメン』という同じ括りで語るならば。

 

食べて見て、初めて違いが分かるというね。

 

つまり・・・

ハウスメーカーが造る家と、

ラファエル設計が造る家と・・・

 

『家』という同じ括りで考えたら・・・

 

多くの人はその違いを分からないのです。

 

で、家づくり始めて見て、自分が家づくりという渦の中に浸かるわけですが、初めはHPで見ていた・書いてあったイメージと違うものだったり・・・
色々「なんか違うな~」感が生まれたりするわけです。

それで、ネットで色々調べてみるとラファエル設計のHPを発見する。

 

他ではやっていない温熱シミュレーションを発見してしまう。

それで、今の家づくりが不安になってくるというのが、問合せしてくる方の共通事項な感じがします。

 

では、改めて、住宅設計が抱える問題の一つとしての2点を書きます。

①「冬暖かく、夏涼しい」がそうならない事があるのを、プロ側も建て主側も知らない

②超省エネ住宅の性能値なのに、全く省エネにならない事がある事を、プロ側も建て主側も知らない


如何ですか?

ちょっと、初めに読んだ時と、見え方変わって来ませんか?

「冬暖かく、夏涼しい」がそうならない事があるのを、プロ側も建て主側も知らない
「ラーメンは美味しい」でもそうならないお店もある。

「栃おとめの苺」は美味しいものだと県外の人で食べた事ない人は思っている。
でも、スーパーで安く売っているものは、酸っぱくて甘くはない。
苺狩りに行った事が無い人は、練乳無しでも十分甘い事を知らない。
苺狩りには練乳が付いてくるところもある。

練乳無し=無暖房
練乳有=エアコン
超省エネ住宅の性能値なのに、全く省エネにならない事がある事を、プロ側も建て主側も知らない
低カロリーの食材を普通の量食べれば低カロリーだけど、6倍の量を食べたらダイエットにはならない。
低カロリー食材を作った人も、そんなに食べるとは想像していない。

見た目痩せているけど、生活習慣病の人もいる。
これは、検査をしないと、医者だって分からないし、自分も分からない。

車の燃費が表示されているけど、実際はその表示から低い燃費になる事を知らない。
例えば、プリウスでドリフト運転してたらそんな燃費にはならない。
売る側も、乗る側がそんな運転するとは思っていない。

つまり・・・

全部「場合によっては」みたいな感じじゃないですか?

想定外のものだってあります。

 

いくら高性能住宅を建てようが、周辺環境によって、日射取得が乏しいならば、無暖房で暖かい家には絶対にならないんですよ。

いくら、家じゅう一定温度って言っても、ドアが締め切りになるような設計だったり、間取りだったり、吹抜けがなかったりしたら、そうは絶対にならないんですよ。

 

つまり、「冬暖かく、夏涼しい」「超省エネ住宅」というものには、隠されたルールのようなものがある訳ですね。

それらを家になる為には、法律とかに沿った基準に合わせるのではなく、その敷地に合った、その敷地にしかない「基準」を達成しなければならないのです。

それを浮き彫りにするのが、シミュレーションです。

↓こうやって、何処が影になるのか?というのを見る事をしなけば、窓の位置の設計なんて、本当は出来ませんよね?


『家の設計には、根拠がある』

そういった事を「ストーリー」と僕は呼びます。

 

根拠もなしに、多くの人が暑くても我慢をする、寒くても我慢をする、ヒートショックで亡くなる可能性が高い家、熱中症になる家・・・

というのを、「ローコスト」だとか「冬暖かく、夏涼しい」だとか「超省エネ住宅」なんて言っているのが、大問題なんですよ。

それを知らずに、決算期には大幅値下げや○○プレゼントって攻撃に屈して、買っている人達が多いのもまた、問題なのです。

 

こうした問題、現状の家づくりがどんだけ住まい手の健康を考えられたものではないのか・・・

多くの一般ユーザーが知るべき事実だと思います。

2019年06月25日