2019自立循環型住宅研究会関東ゼミ第3回

今日は、水道橋にある会場で、

【自立循環型住宅研究会関東ゼミ第3回】
「快適・健康のために必要な建物と設備の性能 
~放射や湿度も考えながら~」

に参加してきました。

講師は、東大の前真之先生です。

 

やっぱり前先生の話は、いつ聞いても面白いですね(笑)

2020年、省エネ法義務化の背景とかの話も聞く事が出来ました。

後は今、超話題のHEAT20のG3の話題や、超ローコストハウスメーカーから、高額ハウスメーカーの家の温熱環境の写真など・・・

すっごく面白かったです。

 

前先生の話が終了した後、セミナーに関してのコメントを求められましたので、少しだけお話させていただきました。

 

う~ん・・・

急な話だったので、緊張してあまり話した内容覚えていませんが・・・

覚えている範囲で書きたいと思います。

 

まず、前先生の話で出てきた内容の話を3つ、ポイントを絞って話しようと思いました。

 

  • 1つ目は、HEAT20のG2、G3などのUA値の話。

これは、ブログでも何度も言ってきている事ですが、結果論なんですよね。

「家の設計」をする上で・・・

「初めにUA値を考える」

というのは、「逆」だって話です。

 

ラファエル設計は、外気温がマイナス7とか8℃の真冬の朝、無暖房で室温が17~18℃になるにはどうすればいいのか?

というのを考えています。

 

つまり、UA値なんてものは、最後についてくるんですよ。

なので・・・

「ラファエル設計さんは、どれくらいのUA値を目指してるんですか?」

という質問に答えるのは、無理なんですよ(笑)

だって、目指しているのはUA値じゃなくて、無暖房での室温だから。

 

 

  • 2つめは、ηACの話。

 

ηAC(イータエーシー)って読みますが、ACはエアコンって思ってください。

ηは、日射熱取得率ですね。

両方を合わせると、冷房期の日射熱取得率って考えると分かりやすいと思います。
※正確には、窓からと、建物からジワジワと侵入してくる熱も含めての、冷房期の熱を評価したものです。

つまり、数値が大きいと、冷房負荷が増えると言いますか、夏に日射が沢山入ってきてしまうという事になります。

省エネ基準では、栃木県とかの5地域はηA3以下にしなければなりません。

前先生の話では、このηAC値が低いからと言って、涼しい家になる訳ではないという話をされていましたので、この内容について僕はコメントしました。

 

建築知識ビルダーズの連載3回目でもここは触れているのです。

ようは、遮熱ガラスにしても、LIXILのサーモスⅡ-Hなんて、

日射熱所得率49%もあるんですよ!?

って話です。

 

皆さん、「日射熱取得率」をカタログとかで調べた事ありますか?

って話なんです。

↓こういうやつですね。
※一部拡大してます。
下記はYKKAPのAPW330です。

 

0.4というのは40%、日射所得がありますって事です。

窓の設計というのは、本来、こういった所を把握したうえで、設計すべきなのです。

これを把握すると、下記の様なシミュレーションによって、どれくらい窓から熱が入るんだ?というのが把握できるようになります。

これによって、北西の寝室には、夏、断熱ブラインドや、外付けブラインドの代わりになるような遮蔽物が必要になるという事が、把握できます。

 

これらが、コメントの中で、僕が思い浮かべながら話していた事です。

 

  • そして3つめですが・・・

 

「その家の設計の答えは、その敷地にしかない」

という事をコメント致しました。

 

皆さん、別にHEAT20のG2とかは、どうぞ目指すのは自由です!って感じですが・・・

例えば、その目指したUA値で、室温が寒かった場合、それが住んでから発覚して住まい手が「こんなはずじゃなかった」となるのか、シミュレーションでしっかり設計者が把握するのか?って所で・・・

把握するのは誰だってシミュレーションやれば把握できます。

しかし・・・

その改善案を、施主様から求められたとき、設計者はその改善案を、しっかりと説明して、暖かくなるような提案ができるのか?

って話です。

例えば、施主様は平屋を希望しているとします。

日照シミュレーションしてみると、下記のように、周辺環境によってほとんど陽が入りません。

では、どこに、どんな窓付けて、間取りはどのように改善するべきなのか?

ってのを、設計者が把握して、理解して、住まい手に改善点を提案できるのか?

って事を頭に浮かべながらコメントしていました。

将来建つ可能性がある建物も、実際に建てて見て、その壁を出してみたり、南側の平屋が古い築年数なら、それが建て替えとなり、2階建てになった時の想定など、それらも含めてシミュレーションする事が重要なのです。

 

二次会では、僕のブログを読んでくださる方がいらっしゃったりして、その内容の話になったりしました。

「ラファエル設計HP、ブログは、どんなセミナーよりも勉強になる」

そうです(笑)

多くの人がいいますが、「有料」でもいいそうですね(笑)

 

基本的に、何かを極めるって、難しい事かも知れませんが、シミュレーションは誰だって出来ます。

やろうとしないだけ。

宿題やりなさい!って言われてやろうとしないのと一緒です(笑)

でも、漫画やゲームは好んでやりますよね?

 

僕は、漫画やゲームが、超大好き人間です(笑)

 

今、ホームズ君をはじめとしたシミュレーションは、ゲームと一緒なのです。

 

今回の二次会では、建築知識ビルダーズ連載4回目に向けて、夏に向けた話をする上で、現段階でのホームズ君によるシミュレーションの話で目指すべき終着点、そして、7/30に両国で開催される、インテグラルさん主催のセミナーで登壇する際に、どんな事を伝えていこうかな?という所を、前先生には贅沢にも、相談に乗っていただき、これからシミュレーションをどんな風に使っていけるのか?という話など、色んな事をお話出来ました。

 

試験勉強をお休みしてまで参加した甲斐がありました。

7/30のセミナーでは、
今回のコメントの内容をもっと詳しくしたものなど・・・

すっごく面白い話が出来るように、考えたいと思います<(_ _)>

僕達が温熱設計で目指す所は、heat20のG2やG3のUAをクリアする事ではなくて、住まい手家族の未来をも一緒に設計する事なんだと思って、日々、ホームズ君で遊んでおります(笑)

 

セミナーの話はこちら↓
7/30日、東京でのセミナーで登壇します

4日朝の時点で、100名募集定員の所、現在65名申込がきていて、まだ増えそうとの事でした。

2019年07月04日