2級建築士が出てきてガッカリしました

僕のスマホは、google discoverという機能で、勝手に僕に興味のある話題をピックアップしてくる。

ネットの記事だったり、アメーバのブログだったり。

そんな中で、先日・・・

 

 

猿&ミルコが頭の中で登場したものがありました。

 

僕が言われたわけではありませんからね(笑)

 

内容は、詳しく覚えていませんが・・・

話を掻い摘んで話すると、こうです。

  • ハウスメーカーで依頼をしている
  • いっこうに希望のプランを作ってくれない
  • 名刺渡されて2級建築士だったからガッカリした

 

もうさ、ハウスメーカーに多くを望んでいる時点で僕の中ではTHE ENDですよ。

そして、いっこうに希望のプランを作ってくれない・・・

そりゃ当たり前だわ。

貴方が打合せしているの、素人の営業とか、自社の仕様の中でしか家を考える事が出来ない設計の人ですよ?

自由設計といいながら、ある意味自由じゃないのがハウスメーカーです。

 

そして、ミルコクロコップが出てくるレベルの発言が、最後の・・・

「名刺渡されて2級建築士だったからガッカリした」

です。

あのね・・・

以前もどこかでブログ書いたような気がするけど・・・

1級か2級の違いは、設計出来る建物の規模です。

 

そして、1級建築士の試験問題・・・

125問の中で、木材限定の問題は1~2問です。

木造住宅の設計に係わる問題は、温熱や環境工学、構造設計、設備設計、施工監理など全て含めて約30問くらい

 

あくまで、家の間取などを上手く設計するという問題は0問です。

1問しか出ない木材の問題を間違えでも、125問中、木造住宅の設計に関する問題を30問全て間違えたとしても点数的には95点で合格点です。

二次試験の製図試験は木造住宅の試験は2級で、1級では木造住宅は一切勉強しません。

つまり、木造住宅を設計した事が無い1級建築士は、木造住宅の間取などの設計は当然誰だって出来るが、断熱材の厚みをいくつにしたらいいか?なんて分からないのだ。

 

恐らく、多くの人達が1級建築士に設計してもらったら嬉しいだろう。

じゃあさ、住宅に限ってはさ、1級建築士の人でも2級建築士の人でもいいし、依頼しようと思っている住宅会社の人に、これ聞いてみてよ。

①この家何℃になるの?

②この家の冷暖房費、いくらになるの?

③耐力壁の倍率って、いくつ見てるんですか?

④耐風等級っていくつですか?

⑤耐震等級3であって、3相当じゃないですよね?

⑥柱・壁の直下率は何%ですか?

 

これって、建築士の試験でもほとんど勉強しない、環境工学や耐震等級の所です。

 

家づくりって、この6つ、めちゃくちゃ重要じゃないすか?

 

例えばさ、

車造っている人がさ、メーカーがさ・・・

どれくらいの燃費になるのか分からないんだぜ?(笑)

車のエアコンかけて、涼しくなるのか暖かくなるのかも分からないんだぜ?

ブレーキ踏んで、どれくらい止まるか分からないんだぜ?

80kmのスピード出したら、屋根が飛ばされちゃうかも知れないんだぜ?

 

これ、何も分からず車の設計するカオスな状況って有り得ます?

 

今の家づくりは、これらを根拠出して設計している訳ではないのですよ。

この前の台風で屋根が飛ばされるとか、これは設計も問題だったります。

 

これから、冬を迎え、窓には結露が起きるでしょう。

この結露、当たり前じゃないですからね?

結露が起きないようにする設計、建築士の試験では勉強しませんよ。

結露のメカニズムは勉強するけどさ。

 

つまりはね

 

「家に住む」という事に対して、1級建築士の勉強ではほとんど重要な所の勉強というか、試験問題として、出題されないのですよ。

「広く浅く」な試験ですから。

製図の二次試験なんて、今じゃ誰もやっていないだろう、「手書き」の図面の試験ですよ。

 

まあ、1級というのは2級よりも幅広い知識が必要とされるわけで、それは鉄骨造とか鉄筋コンクリート造とかに対しても、設計出来なくてはいけないからです。

木造住宅に関しては、木造建築士が最強かもしれませんが・・・

資格なんて、何でもそうだけど、それを持っているからといって、スペシャルな人間になれるわけではない。

 

「住宅」というのは、建築分野のなかでは、基準法的にも一番簡単な部類だし、間取りなんて高校生だって考えられるし、主婦だって考えられる。

では本物のプロと何が違うのか?

それは、2階建てであれば、柱と壁の「直下率」をしっかり考えられているかどうか?というのが1つ挙げられる。

これは、柱が上下階でどれだけ一致しているか?耐力壁がどれくらい一致しているか?

という割合です。

スパン表なども存在するが、これを利用するなら直下率は100%じゃなければ使えない。

しかし、ほとんど100%なんて無理に近い。

 

いずれにしても、プロと素人の差は、「設計図」と「お絵描き」の差くらいに歴然なのだ。

 

次に、「窓の設計」。

温熱的に、どうすればよいのか?

これを考えるのがプロです。

 

建築の世界は

①意匠設計事務所

②構造設計事務所

③電気設計事務所

④設備設計事務所

と大きく4つに分かれます。

 

特に、住宅以外の建築物を設計する時は、これらの事務所で設計図を書きます。

それらを統括するのが、だいたい①意匠設計事務所です。

 

僕は、基本的に①意匠設計事務所です。

ですが、構造計算もやります。

電気や設備の設計も、ある程度、住宅ではやります。

 

でも、電気や設備(給排水)は、配線ルート、配管ルートだけ考えて、何Vの線を使うか?みたいなものは電気屋さんにお任せです。

 

よく、設備やさんが泣くのは、トイレの給排水管が、天井裏、梁に穴開けないと通らない!みたいな問題で、住まい手はほとんど知らないと思うけど、よくある事だと思いますよ。

これ、超タブーな話を暴露してますけど。

もちろん、ラファエル設計ではありえないですけどね。

電気の線も通らなくて、柱や梁を貫通しているなんて事もあります。

 

温熱計算を外注でやると、全然直下率合ってこないんだけど・・・

ってのも、結構あります。

 

こんな話は、住まい手に話される事は絶対にありませんけどね。

ハウスメーカーで、工事途中を全然見れないのは、いくらでも隠し放題ですよね。

ラファエル設計の場合は、いつでも工事中welcomeですので、そんな事があったら即バレます。


まあ、いずれにしても、僕は現在1級建築士を目指しています。

住宅設計に1級の免許は正直不要ですが、やっぱり建築を目指そうと思った時からの夢でもありますからね。

あと、3階建てだと1級必要なんすよ
(;´∀`)

 

もし、僕が1級になれて、家の設計が来た時、依頼理由に

「1級建築士だし、信用できると思って・・・」

なんて言われた瞬間、お断りしますよね(笑)

 

とにかくですね・・・

資格の色でしか判断する事が出来ない人は、僕が設計する意義がありませんからね。

女性は化粧して美人ならいいのか?

男性なら背が高くてEXILE系ならカッコいいのか?

みたいな感じにしか聞こえません(笑)

 

一定の規模の建物を設計するのに資格が必要なだけであって、

「信頼」を得る為に資格が必要なわけではありませんからね。

 

「名刺渡されて2級建築士だったからガッカリした」

こんな発言する人が依頼者で来たら・・・

「あなたみたいな人が依頼に来てガッカリした」

と逆に思われてそうですけどね。

 

だから、いつまで経っても、素晴らしい家づくりが出来ないんじゃないの?

お互いが心の中でガッカリしてるんですから(笑)

相手を信頼してないんですから(笑)

 

まあ、これはメールでの相談でもありますが・・・

依頼先の会社で疑問点解決出来ないのに、良くそこに依頼しようと思いますよね。

どこら辺に信頼が産まれるのか、僕には全く理解出来ません。

 

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もっと家づくりを真剣に考えましょうよ!

今、貴方が思っている常識は、実は常識ではありません。

 

もう過去のものですよ。

2019年10月19日