平屋での室温シミュレーション初公開!Q1.0VSローコスト住宅

最近、本当に平屋を求める方々が多いです。

そんな平屋ですが、省エネ基準クリアの家だったり、ローコストメーカーだったりで普通の「ローコスト」住宅を建てるとどうなるか?

本来は建築知識ビルダーズで連載に載せるような内容ですが、出血大サービスで、このブログに載せたいと思います。

何故なら、平屋を建てて、凍えるような寒さの家を実際に調査したり、住まい手も寝室が極寒です!なんて相談をうけて、現地調査に行った経験から、このブログを書こうと思いました。

また、昨日書いたブログでもちょっと連動している部分ではありますが・・・

Q1.0住宅の凄さっていうのが、分かると思います。

間取りは、先日まで実際に行っていた間取りで、ボツになってしまったので、このブログで生きる道を示してあげようと思いました。

大きさは31坪!

では、今度の東京でのセミナーで話するような内容のブログですので、楽しんでください。

ZEH基準クリアの性能値(UA値:0.5)
ZEH基準クリアしているけど、恐ろしく低気密の場合です。
漏気は一時間に換気回数2回くらいある場合です。
断熱材:高性能グラスウール105mm
窓はLIXILのサーモスⅡH
熱交換無し

UA値から考えると、栃木県小山市ですが、もう少しでheat20のG1グレードに近いです。

また、省エネ基準では札幌の基準をクリアする性能値となります。

気密が悪くて漏気が酷い家というのは、下記のように、北側が黒くなる家だと思ってください。

無暖房です。
朝5:00 外気温マイナス7.0℃
全室1~1.4℃くらいですね。

無暖房です。
朝7:00 外気温マイナス8.2℃全室マイナス0.1~+0.3℃ですね。
LDKマイナス0.1℃ですよ?(笑)
漏気が1時間に0.5回にした場合
上記の条件で、漏気が1時間に0.5回くらいになると室温も上がります。
無暖房です。
大体4℃台ですね。
全室3℃台ですね。

これが、C値1.0を下回ってくると、高気密な感じです。
↓勿論、室温も上がります。無暖房です。
大体6℃台ですね
大体5℃台ですね
ZEH基準クリアの性能値(UA値:0.51)
断熱材は同じで85mmにしてみました。
平屋のせいか、ほとんど105mmと無暖房での室温上は変わりません。
つまり、付加断熱をやらない限り、充填断熱では、低レベルな争い過ぎて、105mmも85mmも今回の間取でのシミュレーション上は、さほど変わらない結果となりました。
なので、1時間に換気回数2回の場合の漏気具合での計算結果のみ載せます。無暖房です。


室:室温
体:体感温度
表:表面平均温度どちらも、ヒートショックで死んでしまうレベルというか、殺人住宅と言っても過言ではないですね。

断熱材を入れていても、漏気が凄いと、無断熱の家と、感覚的に変わらないのでは?と思います。
Q1.0住宅(UA値:0.26)
漏気は勿論ない場合です。
断熱材:高性能グラスウール105mm×2
窓はK-WINDOW
熱交換有り


室:室温
体:体感温度
表:表面平均温度

無暖房です。
朝5:00 外気温マイナス7.0℃
全室18℃を超えています。
言っておきますが、マイナス7℃で無暖房で18℃ですからね?

無暖房です。
朝7:00 外気温マイナス8.2℃
大体17℃台になりますね。
高気密Q1.0住宅VS中気密ローコスト住宅

如何でしたか?

ちなみにこの家、建物本体だけで言えば・・・

あくまでもザックリ概算ですが・・・
自然素材使ってのQ1.0住宅(その他ラファエル設計の仕様)なら、
税抜き2500万~2600万。
新建材の省エネ基準クリアの家なら1700万くらいじゃないですかね。

 

その差、800~900万。
35年ローンで考えたら月々24000円くらいUPすると思います。

皆さん、よく考えてくださいね。

僕はいつも言っています。

1700万で、こんなくそ家を買うのって、何処がローコストなんすか?

 

では次に、室温を冬は20℃、夏は室温27℃に保つために、エアコンを24時間つけっぱなしにした場合、このQ1.0住宅と、ローコスト住宅やハウスメーカーの低気密の家(漏気の具合は一時間に換気回数1回)でどれだけ冷暖房費が違うか見て見ましょう!

あ~~・・・マジでこれ、無料でブログにここまで載せるかマジで悩みました(笑)


Q1.0住宅:年間12,893円
(冬:6,459円 夏6,435円)※夏は遮蔽物の設定なし
ZEHクリアのローコスト住宅:年間111,016円
(冬:100,649円 夏10,367円)※夏は遮蔽物の設定なし

差額:98,122円

夏に遮蔽物の設定をしていませんので、この設定をすると、夏は半分以下になります。

つまり、Q1.0住宅は、年間で1万円をきるという事です。

再度いいますが・・・

「室温を冬は20℃、夏は室温27℃に保つために、エアコンを24時間つけっぱなしにした場合」

のシミュレーションなので、夏25℃とかにすればそれは勿論上がります。

 

さらに、寒い家というのは、冬に20℃設定で、暖かいはずがありません。

以前に平屋で寒くて仕方がないと言って調査したお宅は、エアコンの設定28℃でした。

それでも、床面の表面温度は13℃程度。

これでは寒いのも当たり前です。

 

そして、年間11万も、冷暖房費でかかる家というのは、「我慢」をするはずです。

家って、しつこいようだけど、人それぞれ価値観が違います。

でもさ、35年とかで、いくらローコストでも、1千万以上借金するわけですよ。

その1千万って、安い?

安くないよね?

 

平屋に憧れを抱いて、平屋を建てたいと願う気持ちは、全く否定しませんが、予算がないなら、2階建てでQ1.0住宅の小さい家を建てるべきだと僕は思います。

相談に来る方にもそれは説明しています。

僕は、こういった話を、一般ユーザーが家づくりをする際、義務化レベルで学ぶ必要があると思っているのです。

試験などが終わったら、一般ユーザー向けセミナーの開催も予定しています。

 

全棟Q1.0住宅という願いが新住協にはあります。

僕もその願いを実現できるよう、一件でも多く、殺人住宅を購入する人が撲滅できるよう、このブログを書いた次第であります。

ローコスト住宅を求めるのは全く悪い事ではありませんが・・・

高断熱・高気密ってのは、今回のシミュレーションで示した通り、もの凄く大切な事なんだ!ってのを、このブログを通じて知っていただければと思っています。

このブログ、6時間かけて作っています(笑)

今までいつも同じ室温2階建て画像だったので、平屋の違いをご紹介いたしました。

ラファエル設計はいつも、こうやって暖かい家を追求しています。

それは、住まい手の為以外、他なりません。

最後に言っておきます。

UA値0.5でこんなに寒い家を紹介しましたが・・・

このUA0.5というのが曲者で、栃木県では、0.5前後のUAには、特別な事をしなくてもなります。

極論言えば、トリプルガラスにウレタンで2階建ての場合はなります。

今回は、東側に窓が無かったりするので、平屋でもUA0.5になりました。

そうなると「冬暖かく、夏涼しい!」という広告にうたい文句が出るはずです。

でも、それは室温シミュレーションをやらないのに、UAだけで判断しているのが殆どです。

仮に、C値が1.0を下回り、0.5前後だとしても、無暖房では朝↓この室温です。

大体5℃台。

これを証明するのは、この室温シミュレーションしかないのです。

家づくりで何が大切なのか?

それは、こういった室温シミュレーションが、これからの家づくりには必要なのではないでしょうか?

2019年06月16日